AI

「AIに記事を書かせて量産すれば、検索から人が来るのではないか」——多くの人が一度は考えることを、私たちは自社サイトで実際に試しました。AIで記事を約300本自動生成し、1年間そのまま公開し続けた結果を、包み隠さず公開します。数字はすべてGoogleアナリティクス(GA4)の実測値です。

結論から言えば、この量産は集客には結びつきませんでした。ですが、失敗も含めて自分たちの手と時間で確かめたからこそ、「これからAIをどう使うべきか」をお客様に自信を持って提案できるようになりました。このレポートは、その1年分の経験の記録です。

なぜ、自社サイトで試したのか

AIの話題は先行しがちで、「効く」「もう古い」という声が同じ熱量で飛び交います。伝聞で語るより、自分たちのサイトを実験台にして数字で確かめるのが、私たちのやり方です。うまくいかない可能性が高いと分かっていても、身銭を切って検証しておけば、お客様に同じ遠回りをさせずに済みます。

試したこと(実験の設計)

生成AIと連携して記事を自動投稿する仕組みを自分たちで組み、自社サイト(WordPress)の専用カテゴリへ投稿し続けました。アーカイブは31ページ以上、本数にして約300本規模。公開後に人の手はほとんど加えていません。狙いはシンプルで、「AIの量産コンテンツだけで、どれだけ集客できるのか」を、条件をそろえて1年間観察することでした。

1年間の結果

総ページ表示
7,202PV
ユーザー数
4,003
検索からの流入
230セッション / 年

集計期間は2025年7月〜2026年7月の約1年間。サイト全体で 7,202 ページビュー、4,003 ユーザー。数字だけ見ればそれなりに見えます。問題は、その中身でした。

流入の9割は「読まれていない」アクセスだった

流入チャネルセッション平均滞在実態
Direct(直接)3,911(92%)1秒大半が機械的なアクセスとみられる
Organic Search(検索)230(5.4%)1分04秒実際にじっくり読まれている
Referral(参照)86(2.0%)59秒他サイトからのリンク
その他30(0.7%)SNS・不明

アクセスの91.8%を占めたDirectは、平均滞在わずか1秒・エンゲージ率21%。その多くは人ではなく、機械的なアクセス(自動巡回)とみられます。逆に、平均1分以上じっくり読まれていたのは検索経由の流入でした——それが、年間たった230セッション(月に19件)です。

サイト全体で見ても、実際に読み込まれた「エンゲージのあったセッション」は4,262回中1,140回(26.75%)、平均エンゲージメント時間は約6秒。PVという数字の大きさと、人にきちんと届いた量とは、まったく別物でした。「PVが出ている=集客できている」ではない——これは、生のデータを毎日眺めて初めて腹落ちした感覚です。

肝心の「AI量産記事」は、ほとんど読まれなかった

AI自動生成カテゴリの一覧・回遊は、1年間でわずか56ビュー(サイト全体の0.78%)。約300本を投下しても、個別の記事が検索上位に立つことはなく、実際に見られていた上位ページはすべて手作りのコーポレートページでした。1年間で表示された固有URLは907件にのぼりますが、その多くは1〜数ビューの「裾野」にとどまり、成果には結びついていません。

よく見られたページ年間表示回数
トップページ974
代表者プロフィール341
事業概要229
(以下、問い合わせ・実績など手作りページが続く)

なぜ、量産は効かなかったのか

理由ははっきりしています。検索エンジンは以前から、薄い・似通った・独自性のないページを評価しない方向へ舵を切ってきました。誰でも同じように生成できる記事は、その典型です。加えて、AIによる検索結果の要約(AI概要)が広がったことで、「10本の平凡な記事」より「1本の信頼できる情報源」が選ばれる傾向が強まっています。

量産型のAI記事は、まさにこの逆を突いてしまいました。数は増えても、一次情報も、書き手の経験も、独自の視点も乗っていない。検索エンジンにもAIにも「参照する理由」がなかった、というのが1年分のデータから読み取れる結論です。

逆に、何が効いていたのか

成果につながっていたのは、会社案内・代表者プロフィール・事業概要といった、事業の実体をきちんと説明したページでした。数は少なくても、そこには「誰が・何を・どんな考えでやっているか」という、AIには量産できない一次情報があります。皮肉なことに、300本のAI記事より、数ページの自己紹介のほうが、はるかに読まれていたのです。

この1年で得た、5つの教訓

  • PVの大きさに惑わされない。滞在時間やエンゲージ率まで見ないと、集客できているかは分からない。今回もPVは7,000超ありましたが、実際に読まれたのはごく一部でした。見る指標を間違えると、打ち手も間違えます。
  • 量産では検索に届かない。「たくさん作る」こと自体には、もう価値がありません。約300本を投じても検索流入は月19件。検索エンジンが見ているのは記事の本数ではなく、「他にない情報かどうか」です。
  • 一次情報が強い。自社にしか書けない事実・経験・数字が、そのまま差になります。最後まで読まれていたのは会社案内でした。誰でも書ける話より、自分たちの現場でしか語れないことが武器になります。
  • AIは「量産の道具」ではなく「育てる道具」。1本を継続的に厚くする使い方が効きます。捨てるべきは「たくさん出す」という発想であって、AIそのものではありません。向きを変えれば、同じAIが強みに変わります。
  • 評価軸は動き続ける。SEOもAIも、良し悪しの基準が頻繁に変わります。人が手動で追い続けるのは非現実的で、その追従を運用の仕組みに組み込んでおくことが、結局いちばん現実的です。

だから、これからはAIO

これからの露出は、検索の先にいるAIに正しく引用・参照されることが中心になります。それがAIO(AI Optimization)です。そして、変わり続けるAIの基準に人が追従し続けるのは現実的ではありません。AIへの対策は、AIに任せる——その考え方でつくったのが AIO対応 AI運用ホームページ です。

具体的には、量産をやめ、一次情報を軸にした記事を1本ずつ育てること。会社の実体・実績・考えを、AIが引用しやすい形で整理すること。そして、変わり続ける基準への追従を運用として仕組み化すること——この実験から導いた指針を、そのままサービスに落とし込んでいます。

この実験は一見「失敗」ですが、いちばん大事なことを教えてくれました。大切なのは作る量ではなく、AIにどう理解されるか。私たちは、その答えを聞きかじりではなく、自社サイトで1年かけて、身銭を切って確かめました。同じ問いに悩んでいる方は、この経験ごと、お気軽にご相談ください。